こちらはLISM2025年7月号に掲載されていた「建築家図鑑」VOL.09の記事です。掲載誌の配布期間が終わっているので、こちらにアップいたします。
建築家:野坂寛道さんは、自身の作風を「カッコ付け過ぎず、肩ひじを張り過ぎない、そんな建築を造ります」と話す建築家。木を使った日本の民家建築にインスパイアされた住宅を得意とされています。今回はそんな野坂さんに、お話を伺いました。
建て主の心の根底にある価値観を大切に
建てようネットスタッフ(以下ス)>野坂さんが得意とされている家づくりはどのようなものですか?
野坂寛道(以下 野)>私が家を設計する時は、「心の中の原風景のようなどこか懐かしさを感じる建物になるように」と、設計に取り組んでいます。建て主さんの大切にしている価値観を一緒に見つけ、それをしっかりと家づくりに反映させたいと考えています。なので、最新のデザインや、奇抜さと求めようとは思いません。また、これまで手がけた家の写真を見ていただくと分かるように、「木の建築」が得意分野です。最近はネットやニュースで「木は傷みやすい」というイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、外壁材として使う場合でも、雨や風が直接当たりにくいように工夫することで十分に耐久性を確保できます。木は構造材にも意匠材にも使える、とても優れた素材だと思っています。

野坂さんの自宅
自宅で追求されたのは機能的な住みやすさ
ス>野坂さんはご自宅もご自身の設計で建てられていますよね?どんなお家になっているんですか?
野>外観の特徴は1.5m以上ある深い庇です。ここはこだわりの一つで、外壁に張った木の持ちをよくするために必要な部分でした。それは家を長年大切に使っていくことにもつながりますし、注目されている「循環型社会」にも貢献できると考えています。また、この庇は洗濯物を干すスペースの屋根にもなり、車の雨よけにもなるなど、複数の機能を持っています。さらに、庇の下は「自分の場所」と感じられる不思議な安心感があり、人が住まう場所にはそうした感覚的な要素も大切だと思っています。
ス>設計について、ご家族からの要望はありましたか?
野>予算面以外は特になかったですね(笑)。ただ、家族も私自身も広い家は望んでいなくて、機能的な住みやすさを追求しました。実は生活スペースは25坪しかありません。もちろん、ただコンパクトなだけでなく、窮屈さを感じない素材選びや、目線の抜けを意識した設計をしています。また、トップライトからの採光があるので、季節問わず一定の光が家の中に入ってくる造りになっています。
建築は3次元+αたくさんの要素で成り立つ
ス>野坂さんが考えるハウスメーカーと「建築家との家づくり」の違いはなんでしょうか?
野>ハウスメーカーの家づくりは、施工まで同じ会社が行うため、どうしても施工側の都合で自由度に制限が出てしまうことが多いです。また、家づくりは平面的な話になりがちだと感じています。しかし、建築は本来3次元のもので、さらにそこに質感や温度、湿度、光、風、匂いといった多くの要素が加わります。建築家はそうしたすべての要素を加味しながら、建て主にとってのベストな家を一緒に探していきます。そのためには、しっかりと対話を重ねることが大切で、そうしたやり取りを通じて「この人になら家を任せられる」という安心感が生まれるのだと思います。

野坂さんの設計物件 
野坂さんの設計物件

野坂さんの設計物件

野坂さんの設計物件
家づくりという大事な局面の相談相手に
ス>最後に、これから家づくりをはじめる方へメッセージをお願いします!
野>家は、家族や周りの人との関係にも関わる、とても繊細なものだと思っています。家づくりを考えるときは、建て主さんもいろいろなことを考え、悩みが尽きないこともあるでしょう。そんなとき、家づくりのプロである私たちが話を聞き、アイデアや視点の切り替えで悩みや凝り固まった考えをほぐす手助けができればと考えています。建築家の設計料は「安い」とは言えませんが、家という大切なものをつくるときの相談相手として、一緒に寄り添っていきます。その分、後悔のない、本当に大切にしたい「わが家」が完成すると思ので、ぜひ一度、建築家との家づくりを考えてみてください。
野坂さんと話してみたい!と思ったら
ぜひ建てようネット和歌山へ!



















