建てようネット[和歌山]で建てた家 第190号
室内空間の基本コンセプトは「シンプル」。その上で奥様は明るさを求めました。「太陽光を取り入れることはもちろん、風の通り道も併せて計算しています。冷暖房の器具がなくても、ある程度は建物の構造で“夏は涼しく冬は暖かい”を実現。ポイントは太陽の軌道とひさしの関係。季節によって異なる太陽の動きを計算した上でひさしの長さを決定します。外観のインパクトはそれを反映しながらデザインしたものです」と木村さん。
LDKの行灯に目が行きがちですが、ポイントはほかにもいろいろ。使い勝手のいい和室は玄関から直通で、急なお客様にも即座に対応。普段はリビングサイドを開け放って、昼寝もできる小上がり風に仕上げています。LDKそれぞれの用途を分けるのは、天井の高さと格子の三本柱。建て主さんは「住み始めて柱のありがたさを実感。光や風を通しつつ視線を遮ることもできるし、なにより隅っこって落ち着くんですよね(笑)」と200点の住み心地を語ってくれました。
吹き抜けの巨大空間に浮かぶ行灯明るさを灯しつつ兼ね備える収納力
建築家と一緒に建てた家の最大のメリットといえば、どことも誰ともかぶらないインパクト。それは一目見て、外観からあふれ出しています。「建てようネット[和歌山]」は、そんな世界に一つのマイホームを求める建て主さんを応援。県内を中心に「建てたい人」と「建てるプロ」との出会いを無料でコーディネートしています。
紹介するのは「ANDON HOUSE」。ANDONとは、日本の工芸品として知られる「行灯」のこと。その理由はLDKに入ると一目瞭然です。「吹き抜けの巨大空間を利用した宙に浮くANDON。行灯だけに間接照明にもなり、布団など季節物をなおせる収納スペースにもなっています」。手がけたのは木村建築設計事務所の木村茂伸さん。建てようネット和歌山でもベテランの建築家で、あの有名なテレビ番組「大改造‼劇的ビフォーアフター」でも素晴らしい設計技術を披露した匠。ANDON HOUSEでも個性あふれるデザインで注目を集めています。
建て主さんは「もともとメーカーで家を建てようと考えていて見積もりをお願いしたら、びっくりするぐらいの予算オーバーで…。そんな時に知人の紹介で建てようネットさんを知り、偶然ですがその知人の家を建てた木村さんと出会いました」と。紀の川に近い土地柄もあり、丈夫な家というのが建て主さんのコンセプト。木村さんは「どの家もまずは家族と暮らしを守る構造の強さを前提とします。耐震等級は3以上。安心と安全を確保した上で、次は暮らしの快適さを追い求めていきます」。建て主さんの要望を最大限に取り入れつつ、生活動線や収納などは木村さんの経験や知識を生かしてアドバイス。空間を広く有意義に使うため、仕切りや廊下は最小限に、間取りの位置や形、構造柱の一部などを用いて、LDKの役割を分けつつ一体化。延床面積以上の広がりを実現しています。「主人も私も建築は素人。ほとんどお任せ状態でしたが住み心地は200点。大満足の仕上がりです」。
住宅データ
家族構成/ご夫婦
構造/木造在来軸組工法
屋根/ガルバリウム鋼板タテハゼ葺
外壁/防火サイディング張、一部ジョイントV GG仕上 一部杉板張り
建築面積/ 75.17㎡ (約22.73坪)
延床面積/
1F69.85㎡ (約21.13坪)
2F46.95㎡ (約14.20坪)
計 116.80㎡ (約35.33坪)
敷地面積/ 456.11㎡ (約137.97坪)