建てようネット[和歌山]で建てた家 第180号
外観にも室内にも木をふんだんに使用。壁や外壁は、呼吸する木として日本人にもっとも親しまれるスギ材。蓄熱や調湿の機能性が高いだけでなく、外から中へ、デザインを連動させることで統一感をもたせています。床は重硬で知られるナラ材を使用。丈夫さもさることながら精悍な木目も魅力で、柔らかい印象のある壁のスギ材とマッチするよう細めのカッティングでコーディネートしています。
LDKの中心であり、室内全体の印象を決めるキッチンは奥様の希望で、トーヨーキッチンスタイルのものをチョイス。キッチンの目の前は中庭で、毎日台所に立つ奥様をそっと応援。「花が咲いたり、葉の色が変わったりと、四季折々で癒してくれます」と。中庭は浴室にも面し、浴槽からの眺めはまるで露天風呂。もちろんこちらも奥様の癒し。全部屋カーテンフリーの心地よい空間が広がっています。
光と影を取り込む京町屋の空間マイホームだからこそじっくり
今回、満を持して紹介するのが「東高松のいえ」。というのも、こちらの建て主さんと「建てようネット[和歌山]」は、もう8年来のお付き合い。和歌山放送に事務所を構えていた時から交流があり、建築家と建て主さんをつなぐ当社のシステムもしっかりと熟知してくれています。ご主人いわく「もともと建築が好きで、エンジニアという仕事柄もあり、じっくりと自分の家を建ててみたかった」と。ハウスメーカーなども見て回り、建てようネットでは建築家6人と面談。そんな中、白羽の矢が立ったのが「アトリエグリッド」の岩西智宏さんでした。
デザインはもちろん、決め手になったのは、土地探しから話し合う上での人柄とフィーリング。ご主人も奥様も地元出身ではないため、和歌山市の地域・人の特性まで土地勘のある岩西さんに伝授してもらったと言います。またご主人の趣味であるお酒は、岩西さんも大好き。その辺の意気投合もあって、奥様にとっては和歌山のお兄ちゃんであり、ご主人にとっては気の合う飲み仲間。家を通しつつも、一生のお付き合いが続く関係です。場所は和歌山市内の一等地にあり、デザインは閑静な住宅街に馴染むもので、和モダン。岩西さんは「もし和歌山を離れることになっても…」と、他県出身のご夫婦の将来のことも見据えています。じっくりとお二人の要望を聞き、一緒につくり上げた住まいは、モダンな和の佇まい。「木を感じたいという要望と、ご主人の出身が京都ということもあり、光と影をうまく取り込みたいと考えました」と岩西さん。京町屋のように、あえて間口を狭く奥に広がる設計で、光を取り込む中庭を配置。外に面する小窓は位置を高めに設定して、採光だけでなく、隣近所の緑も借景として室内に取り込んでいます。街中にいながら自然を感じられる空間。当然、計算され尽くした生活動線でトータルに住み心地を追求しています。
住宅データ
構造/ 2階建 木造
屋根/ ガルバリウム鋼板 立平葺き
外壁/ 左官仕上げ 一部紀州材(スギ材)張り
建築面積/ 73.10㎡(22.11坪)
延床面積/
1F 66.65㎡(20.16坪)
2F 57.56㎡(17.41坪)
計 124.21㎡(37.57坪)
敷地面積/ 146.77㎡(44.39坪)