建てようネット[和歌山]で建てた家 第175号
平屋暮らしを希望する奥様の要望を受けて片流れの外観を採用。2階建てが密集する住宅街においても、存在感があり圧迫感もゼロ。室内はご主人の「座卓でご飯が食べたい!」との要望を受けて、畳のダイニングスペースを配置。テーブルはご主人のお手製で、キッチンの棚もなんとご主人のDIY。もともと器用だったというご主人。新しい一面が開花しているようです。
建坪約21坪の平屋造り。室内空間を生かすために工夫したのが、収納の位置と廊下の節約。季節物などはロフトの屋根裏収納へ。畳ダイニングの下も便利な収納スペースです。洗面などの水回りは、LDKと子ども部屋や主寝室などプライベート空間が始まる廊下との間に設置。廊下は1畳とコンパクトながらも主寝室と子ども部屋を隔て、最大限の役割を果たしています。
予算もコンパクトに平屋造りを実現秘訣は片流れと効率的な節約デザイン
このお家の絶対条件は、奥様の要望であった〝平屋〟であること。その理由を伺うと「今も将来的にも、2階に上がるのは誰かってこと」と。確かに考えてみると、2階は一般的に子ども部屋を設ける傾向にあります。おのずと2階に上がるのは、子どもと掃除をする主婦。掃除のために何十年も上り下りするのは、負担でしかありません。そんな家族の暮らし方を視野に、家づくりにチャレンジしたのは「オフィスワイズ」の谷奥愼司さん。「建てようネット[和歌山]」に登録する建築家の中でも大ベテラン。しかしその大御所感を感じさせない穏やかな人柄と喋りやすさが、ご主人の心に響き、夢を叶える家づくりがスタートしました。
家づくりは土地探しから始まり、条件はご主人の実家に近い場所。時間をかけて見つけたのが三角形の変形地。「敷地面積は88坪と広いのですが、平屋と予算と変形地の条件を総合すると建坪は約21坪。コンパクトに、家の中からも外からも、窮屈さを感じさせない造りにしました」と谷奥さん。採用したのは、屋根の形状が一方だけに流れている片流れ。周辺の2階建て住宅に圧迫されることなく、シンプルながらも平屋の存在感を出しています。室内もLDKを中心に、子ども部屋、主寝室、さらにご主人の希望で畳ダイニングまでイン。これらを建坪約21坪に集約する場合、とにかく廊下などのスペースを徹底的に節約。結果、シンプルな家事動線の暮らしやすい空間が生まれました。
「収納は片流れのロフト等を使うことで大容量を実現。予算を念頭に、仕様やデザインを工夫しつつ、土地の広さを生かした建物の位置取りで、太陽光など自然の力も取り入れた住空間を実現しています」。谷奥さんの一つ一つの丁寧な説明に「素人ですけど、説明があることで、いる・いらないの判断がしやすかったです」と建て主さん。納得した上で次のステップへ…満足できる家づくりの基本を徹底しています。
Placement on land
88坪の広さの三角地を生かすために谷奥さんが考えたのがこの配置。建物をコンパクトにした分、車も3台余裕で停められ、お友達や親御さんが来られるときも安心。あとの敷地は家の中からも景色を楽しめる小さな庭や、家庭菜園のスペースに。建築家との家づくりならではの土地の有効活用です。また、土地探しの段階でもカンタンな配置は建築家が考えてくれるので土地を決める際の重要なポイントになりますよ!
住宅データ
家族構成/ご夫婦、お子さん2人
構造/木造在来軸組工法
屋根/カラーベスト葺き
外壁/防火サイディング
建築面積/ 70.30㎡ (約21.27坪)
敷地面積/ 292.83㎡ (約88.58坪)
延床面積/1F 70.30㎡ (約21.27坪)
小屋裏収納 7.42㎡ (約2.24坪)
計 77.72㎡ (約23.51坪)