建てようネット[和歌山]で建てた家 第160号
外壁の小さな窓は、建て主さんの船をイメージしたあしらい。小窓と玄関ドア以外に窓はなく、見た目の印象は倉庫。ところが室内は、ウッドをベースに高い傾斜天井のLDKで、太陽光も十分に降り注いでいます。秘密は計算され尽くした中庭。太陽の軌道に沿ってベッドルーム、LDKとちょうど良い採光を取り入れる角度と高さで、外からの視線も完全にブロックされるから、カーテンを引く必要もありません。
約20坪のセカンドハウスを、無駄なく生活空間をまとめることで、ゆとりのある印象に。廊下や仕切り、扉などは極力減らして、空間の広さに生かしています。LDKから見える中庭の壁面は、船のデッキにも使われる木材。色合いを変えることでデザイン性も追求しています。室内にはあえて収納を作らず、中庭から入れる倉庫を1つ併設したのみ。倉庫には流し台もあり、BBQの準備もバッチリです。
自由な発想でロマンを詰め込み誰もが憧れる男の秘密基地を実現
四方を強固なガルバリウム鋼板で囲んだインパクトのある外観。「男のセカンドハウス」の名に相応しい佇まいです。建て主さんの職場から徒歩1分とかからない場所に建てられ、仕事部屋+住居+プライベートルームの三役を兼ねています。建築に携わったのは「オフィスワイズ」の一級建築士・谷奥慎司さん。建て主さんの「腕の立つ建築家を」という要望に見事応えました。そもそも建て主さんが「建てようネット[和歌山]に来館されたのも建築家を選ぶため。「船に例えるなら建築家は船頭。より良い住まいづくりのために、いい建築家を探していました」と建て主さん。建てようネットに登録する19名の建築家から谷奥さんをマッチングし、建て主さんの夢を叶える家づくりがスタートしました。暮らしやすい平屋をベースに、20坪程度でコンパクトに、居心地の良さを追求。初めに建て主さんが思い描いていたのが、セーヌ川に浮かぶボートを住まいにしたペニッシュ。船の中とは思えないほど優雅なしつらえで、生活空間を驚くほど上手にまとめています。谷奥さんは「実は最初、船のような形状で提案もしてみたのですが、デッドスペースも生まれやすいため、住まい方の考え方だけを参考にしてみました」と。水回りなどは一つにまとめて、プライベード空間でもあるベッドルームの近くに。LDKは大胆に、男心をくすぐる遊び心を加えています。建て主さんがテーマとしたのは「自由な発想」。そこで谷奥さんが取り入れたのが中庭。外観の強固なイメージとは裏腹に、室内はどの部屋も中庭から注ぐ光にあふれ温かい雰囲気。天井高で閉塞感もなく、図面以上の広さを感じます。中庭には閉開式のひさしまであり、庭というよりは天井のない部屋のような印象。友人が集まればBBQ、一人の時はビールを持って星空を眺めながらちょっと一杯。「ゆとりを感じる時間が何よりの贅沢。友人たちもよくお酒を持って集まるようになり、さながら秘密基地のようです」。
住宅データ
家族構成/男性
構造/木造在来軸組工法
屋根/ガルバリウム鋼板タテハゼ葺
外壁/ガルバリウム鋼板、一部セランガンバツ等板張り
建築面積/ 72.75㎡ (約22.01坪)
延床面積/ 1F68.23㎡ (約20.64坪)
計 68.23㎡ (約20.64坪)
敷地面積/ 196.57㎡ (約59.46坪)