環境と調和 豊かな暮らし
建築を考えていくプロセスの中で一番大事にしていることは、形をデザインするのではなく空気を計画するということです。
空気を計画するというのは目に見えない部分を造ることであり、住まい手が日々移り行く四季の中で、空間を新鮮に心地よく感じながら生活していけるように、「光」「風」「庭」「素材」などの要素と「吹き抜け」「床レベル差」などの技術的表現をパースや模型で綿密に検討し、周辺環境と相互関係のある豊かな空間を造り上げていくことです。
建築とはそれ自身が主役となるのではなく、この空気を演出するための黒衣のような存在であり、しかしその黒衣の繊細な働きによって、心地よい空間ができると思っています。
そこに住む事を望んだクライアントがこの土地を選ぶことにどんな思いがあったのか、自分は建築家としてそれをどう受け止め、構成していくのかということを念頭に置きながら建築に取り組んでいます。
作風について
人と場所を大切にしたいと思っています。
積み重ねてきた経験や記憶は人それぞれです。これから家づくりを考えていく住まい手はその経験や記憶をもとに新しい生活を想像していきます。
また、場所のもつ歴史や環境も多種多様です。地域性、緑の豊かさ、光の入り方、風の抜け方など、それぞれの場所、時間で変化していきます。
住まい手と同じ想いを持つことを心掛け、これからの生活が周辺環境と調和した豊かな住宅、長い人生の拠り所となる住宅になるよう、家づくりに関わっていただく皆さんと共に造っていきたいと思っています。